住宅ローン選びのために銀行のHPを見ていたりすると、金利が店頭金利・適用金利・優遇金利と3つ書かれていたりしますよね。さらに、基準金利、表面金利、実質金利なんていうのもあったりします。
同じ金融機関でも基準金利と適用金利ではかなり差があったり、優遇金利と書かれているところもあったり。

基準金利・適用金利・優遇金利、それぞれの意味や違いについて見ていきます。
この記事の目次
基準金利(店頭金利)

店頭金利は、金融機関が市場の動向に合わせて自由に決める、基準となる金利なので「基準金利」や「表面金利」と書く金融機関もあります。
金融機関ごとに決めるから、金利には「ばらつき」があります。短期プライムレートや国債の長期金利など市場の金利、国の金融政策などを考慮して決められていますが、銀行間でそこまで大きな差は出てきません。
住宅ローンを比較する際に、この「基準金利」はそこまで気にする必要はありません。住宅ローンを借り入れた場合に実際に適用される金利ではなく、一般的にはこれより低い金利が適用されることになります。
なので、住宅ローンの金利を比較しているサイトなんかでは、「基準金利」では比べられていません。

優遇金利

優遇金利は、店頭金利から引き下げられた(優遇された)あとの金利のこと。
一般的に各金融機関の住宅ローンのページのトップに大きく掲載されて低金利をアピールしている数字は、この「優遇金利」です。キャンペーンとして打ち出している場合もあります。
変動金利は、半年に1回だけ金利を見直すはずなのに、なぜ毎月ころころと変わってるのかというと、この優遇金利の引き下げ幅が変わっているからです。
できるだけお得な住宅ローンを選びたいと思うのは当然のことで、低金利の情勢が続く現在ですがギリギリのところで、優遇によって金融機関による熾烈な低金利争いが続いています。
「▲1.5%~最大▲1.85%」のように書かれているのが引き下げられる金利です。少しややこしいですが、「引き下げ率のことを優遇金利」とされている場合もあります。
実際には、この優遇された金利が適用されるので、比較する場合には、この優遇金利で比べる必要があります。

優遇をうけるためには、条件がある場合も
優遇金利を適用してもらう場合には、銀行が定めた条件が設定されていることがあります。
・キャンペーン期間中に申し込む
・ネットからの申し込み限定
・頭金を2割入れる
・給与振込口座を借入先の銀行口座にする
・借入先銀行の(提携の)クレジットカードを作る
例えば、このようなものがあるので、目当ての金融機関がある場合は確認しておくようにしましょう。
「当初優遇」と「通期優遇」2つの優遇金利
優遇金利には「当初期間優遇金利」と「通期(全期間)優遇金利」という2つの種類がよういされていることもあります。
どちらを選ぶかによって、損をしてしまうことも考えられるので、しっかりと把握しておきたいところです。
▼ 詳しくはこちらの記事で書いています
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フラット35にも優遇金利はある?
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適用金利(実行金利)

「優遇金利=適用金利」として取り扱っている銀行もあります。基本的に同じものと考えて差し支えありません。

多くの金融機関では、融資実行時の金利が適用されるので注意しましょう。
1月に申し込んでいても金銭消費貸借契約を結んでいても、2月に融資実行となると、2月の優遇金利(適用金利)が適用されます。
ややこしいときは、金融機関に確認してみましょう。
基準金利・適用金利・優遇金利の3つの違いまとめ
店頭金利は、その銀行の基準となる金利なので、基準金利とも言います。変動・固定で違います。
優遇金利は、店頭金利から優遇された(引き下げられた)金利。
適用金利は実際に適用される金利。優遇金利=適用金利という捉え方で問題ありません。
店頭金利(基準金利)は定価、優遇金利は値引き後の価格、適用金利はレジを通したときに決まる価格のようなイメージ。
3つの金利の中でも、住宅ローンを比べる場合に、注目すべき金利は優遇金利・適用金利です。
基準金利(店頭金利)はあくまでも指標として、そこから、どれだけ引き下げられているのかを見るのも大切です。


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