住宅ローン基礎知識

返済期間はどうやって決める?長い短いにおけるメリット・デメリット

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住宅ローンを借り入れる場合、「返済期間」についても決める必要があります。

住宅ローンは大きな金額となるので、長い期間にわたって返済していくというのが一般的。返済期間を決める際は、退職する年齢に合わせて考えるという人も多いと思います。

また、退職後も返済が続くという場合、「繰り上げ返済」などを利用して「退職後の返済額を減らしておく」「それまでに完済してしまう」など計画しておく必要があります。

住宅ローンの商品によって、「返済期間」や「完済時の年齢」が決められているので、将来の返済計画に合わせて選ぶようにしましょう。

結局、返済期間って、どうやって決めればいいんだろう…
基本は、返済期間を短くすると総返済額が少なくなって、長くすると、毎月の返済額が少なくなる。選ぶ基準は人それぞれになると思います。

返済期間の決め方、短い期間で借りた場合と長い期間で借りた場合のメリット・デメリットについて見ていきます。



 

返済期間(最長で何年で返せばいいのか)

「返済期間」は、何年かけて返すのか

「最長35年で、1年単位で設定できる」というところが多いです。

フラット35は、15年以上35年までとなっています。

 

完済時の年齢(何歳までに返さないといけないのか)

期間とは別に、何歳までに返さないといけないのか、「完済時の年齢」についても決められています

一般的に住宅ローンの完済時の年齢は、75歳〜80歳までと決められているところが多いです。

そのことから、融資開始の年齢から75歳〜80歳となるまでの期間が最長の返済期間となります。

現在の年齢が50歳だという人が、「、完済時の年齢は80歳まで」という住宅ローンを組む場合、最長の返済期間が35年となっていても、30年までしか借りられないことになります。

もちろん、定年退職と完済を合わせたいという場合は、もっと短い期間で考える必要があります。

みんなは平均何年で借りて、何年で返してるんだろう?

 

返済期間の平均はどのくらい?

返済期間平均 何年

住宅金融支援機構による「民間住宅ローンの貸出動向調査」というものが行われています。

民間住宅ローンを取り扱う金融機関に対し、住宅ローンの貸出実績、取組姿勢、営業戦略、審査、リスク、証券化の動向などに関するアンケート調査を行い、その結果を集計したものです。

▶住宅金融支援機構「民間住宅ローンの貸出動向調査 2017(平成29)年度の調査結果

これによると、2016年度の住宅ローンの貸出期間についてはこのような結果となっています。

約定貸出期間(貸出し時に決めた返済期間)」を見ると、「25年超え30年以下」という人が約40%で一番多く、「25年以下という人の合計」で約半数、「25年超え35年以下という人の合計」で約半数となっています。

「単純平均 25.6年」となっていて、意外にも短い期間になっています。

2013年から2016年の4年間は、各年 平均25年代になっています。

次に、「完済債権の経過期間(完済までの経過期間)」で見ると、「10年以下」という人が30%を越えてきます。「15年以下」という人も合わせると60%以上にもなっていますね。

「単純平均 15.0年」と、なっていて、こっちも意外に短い期間となっています。

単純にこの数字から見ると、返済期間は平均25年で組んで、「繰り上げ返済」などを利用し、実際には、もっと短い期間で返済を終えているという人が多いということが分かります。

しっかりと短い期間で返済して、真面目にお得に返済を終わらせている人が多いということですね

 

住宅ローンの返済期間についてのまとめ

最長の返済期間は35年で、1年単位で設定できるということが多い

完済時の年齢は、75歳〜80歳までと決められていることが多い

平均でみると、返済期間は25年くらいで組んで、繰り上げ返済などを利用し、もっと短い期間で返済を終えているという人が多いです。

一般的に金融機関からは、35年でのプランをすすめられることが多いと思いますが、「毎月の返済額」を抑えられるというメリットがあるものの、「総返済額は多くなってしまう」というデメリットがあるということを頭に入れておきましょう。

返済期間が「長い」「短い」ことによるメリット・デメリットもそれぞれにあるのです。実際にシミュレーションしてみます。

 

返済期間と返済金額を比べてみる

実際に、返済期間の違いで毎月返済額・総返済額がどうなるのか見てみましょう。

フラット35のローンシュミレーションの「借入希望金額から返済額を計算」を利用してみます。

http://www.flat35.com/simulation/sim1.html

借入金額:3000万円 金利タイプ:全期間固定 適用金利:1.5% 返済方法:元利均等 ボーナス払い:なし

返済期間「35年」:毎月返済額 9.2 万円 / 総返済額 3,858 万円

返済期間「30年」:毎月返済額 10.4 万円 / 総返済額 3,728 万円

返済期間「25年」:毎月返済額 12 万円 / 総返済額 3,600 万円

返済期間「20年」:毎月返済額 14.5 万円 / 総返済額 3,475 万円

返済期間「15年」:毎月返済額 18.7 万円 / 総返済額 3,353 万円

となりました。

返済期間が長いほど、毎月の返済額は少なくなって、総返済額が多くなる。

返済期間が短いほど、毎月の返済額は多くなって、総返済額は少なくなる。

というのがよく分かります。

35年と15年で比べるのは極端になりますが、毎月の返済額は倍くらいの金額になってるものの、最終的に支払う金額で見ると、約500万円もお得だというのが分かります。

短い期間で借りる場合も長い期間で借りる場合も、両方にメリット・デメリットが出てきます。



 

短い期間で借りる場合のメリット・デメリット

住宅ローンを短い期間で借りる場合の長所と短所について。

【メリット】

● 単純にローンが早く完済できる

● 利息の総額も減って総返済額が抑えられる

● 保証料が安くなるものもある

【デメリット】

● 毎月の返済額が多くなって、手元の資金が少なくなる

● 原則として期間を延長することはできない

 

長い期間で借りる場合のメリット・デメリット

住宅ローンを長い期間で借りる場合の長所と短所について。

【メリット】

● 毎月の返済額が少なくなって、手元の資金に余裕ができる

● 繰り上げ返済を利用して期間を短くすることができる

【デメリット】

● 利息の総額が多くなって、総返済額が高くなる

● 保証料が高くなるものもある

● 老後の生活資金が少なくなる

 

返済期間の決め方について

無理の無い毎月の返済額を基準に返済期間を考えるのは当然のことです。

でも、返済期間を長くすればするほど、支払う利息も加わって総返済額が増え、完済後(老後)の生活資金は少なくなってしまいます

総返済額は抑える方が最終的にはお得とはいえ、毎月の返済額が負担になりすぎないように、バランスをしっかりと考えて返済期間を決めることが大切になってきます。

毎月の返済額を安くするべきか、最終的な返済総額を抑えてお得に返済するか…。

期間を長く借りる場合には、毎月少しずつでもしっかりと貯めて、計画的に繰り上げ返済をして、総返済額を抑えていくことが大切になります。

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