頭金を一切入れない「頭金ゼロ」で住宅ローンを組む人が増えているそうです。
昔は、住宅ローンの融資限度額が、住宅購入に必要な金額の8割までというものが多く、頭金を貯めるのは当たり前というのが一般的だったんですが、現在は融資限度額が住宅購入に必要な全額100%借入できるというものが多くなっています。
50代くらいの人なら「頭金ゼロでも住宅ローンが組めるのか!?」と驚く人も多いかもしれませんが若い人なら「頭金なんてどうして必要なの?」と思う人もいると思います。
超がつくほど低金利の現在では、頭金を多く入れるメリットが少なく感じてしまいます。

当サイトでも「頭金を購入金額の最低でも2〜3割は用意する」ことをおすすめしていますし、一般的にもそうなっています。
じゃあ、なぜ「頭金ゼロでの住宅ローンはダメだ」と言われているのでしょうか。頭金ゼロで住宅を購入することの危険性について見ていきます。
頭金ゼロでも審査には通る?

頭金はある方が、銀行側もしっかり計画してると見てくれるでしょうし、返済額に余裕もできるんだから、無いよりはある方がそりゃ有利だと思います。
頭金を多く入れることで金利が優遇されることがあるのも大切なポイントですね。

フラット35の場合は金利が上乗せされる

融資率とは、「借入額 ÷ 住宅の購入価額」で算出されるのですが、9割以下なら問題はないのですが、9割超えでは審査が厳しくなり、金利も上乗せ(0.4%ほど)されてしまいます。
要するに「頭金を1割は入れないと、高い金利で貸すよ」ということです。
頭金ゼロにはどんな危険性がある?

頭金がゼロということは、住宅購入費用のすべてを借金で支払うということ。
その分、無駄に支払う利息も多くなって、返済総額も増えるし、返済期間も長くなってしまいます。
住宅売却時に借金だけが残る「担保割れ」
頭金ゼロで住宅ローンを組んで、家を購入した後、何かしらの出来事があって家を売りたいという場合、ローンの残高よりも売れる値段が安くなってしまう可能性が高くなります。


もっと噛み砕いて、住宅の売却価格が住宅ローン残高を下回ってしまう状態のことを指すこともあります。
例えば、住宅ローン残高が3100万円あるのに、住宅の売却価格が3000万円だとしたら、100万円担保割れしていることになります。
この家を売るためには100万円を現金で用意して、3100万円で住宅ローンを完済する必要が出てきます。
「そんなこと起こりえるの?」と思われるかもしれませんが、以外と起こります。担保価値は住んですぐから落ちていくものです。
頭金をどのくらい入れておけばこの担保割れが発生しないかというのは、物件にもよりますが、1割だけ(できれば2割)入れておくことで、リスクを減らすことができます。
頭金なしで住宅ローンを組む危険性についてまとめ


全てをローンで支払うということは、無駄となる利息の支払いが多くなります。
また、家を売ることになったときに、家を売って得たお金では、ローンを支払いきれない「担保割れ」状態になって、借金だけが残ってしまうことも起こりやすいです。
頭金なしでも、確かに審査に通ることはできますが、リスクもあることをしっかり知っておきましょう。